日本のごあいさつの贈り物

ラッピングのこと


今年も残すところあとわずか。
平成最後のお正月がもうすぐやってきます。

新年には、お年賀を持ってお世話になった方に
ごあいさつへ行かれる方も多いのではないでしょうか。

西洋のラッピングのリボンのように、
日本の贈り物の包みに用いられる飾り紐が水引(みずひき)です。
日本のラッピングである水引は、
「解く」ことを前提とした西洋のラッピングやリボンとは意味が異なり、
紐の色や数、結び方の形によってさまざまな用途に使い分けられています。

結婚や出産などのおめでたい慶事には、赤白や金銀の水引を奇数本、
葬儀やお悔やみ事などの弔事には黒白や白銀の水引を偶数本使うのが基本です。

結び方にも意味があり、
一度結ぶと簡単にはほどけない「結び切り」は、
結婚や弔事など「一度きりであってほしい」ことに、
何度でも結び直せる「蝶結び」は、出産や子どもの成長を祝う行事など
「何度繰り返してもうれしい」ことに用いられます。

水引の起源には諸説ありますが、
飛鳥時代、隋に渡った遣隋使の小野妹子が帰朝した際、
隋の答礼使が携えてきた贈り物に航海の無事を祈願した
紅白の麻紐が結ばれていたことに始まるともいわれています。

古来の日本には、神々や先祖をまつる祭祀の際に
お供え物に藁などを束ねて結ぶ風習がありましたが、
これ以降、中国文化の影響を大きく受け、
宮廷への献上品や貴族間の贈り物は麻の紐で結ぶことが慣習となり、
平安時代には「水引」と呼ばれるようになっていたそうです。

また、室町時代に日本が中国の明朝と行った日明貿易において、
明が輸出用の品を他のものと区別するために使用していた
赤と白の縄を日本が贈答品に使用する習慣と誤解して、
それから贈答品に赤と白の紐をかけるようになった、という説もあります。

古来より日本にあった「結ぶ」ことに対する深い信仰。
「結び」には魂が宿り、邪気を払うと信じられていたそうです。
水引には未開封であるという封印や魔除けの意味合いがあり、
水引で結んだものは単なる物品とは区別されていました。

水引結びは、引けば引くほど強く結ばれるものが多く、
人と人、想いと想いを結びつける意味も込められています。

「結ぶ」ということに日本人が特別な想いをもっていることから、
水引が現在でも、慶事や弔事には欠かせない風習として、
日本人の生活に根づいているのではないでしょうか。

新しい年に、大切な人とのご縁をあらためて強く結ぶために。
お年賀の包装のご用命もお待ちしております。

つつみ屋工房 日本橋高島屋S.C.店では、
お持ち込みいただいたお品物のラッピングも承っております。

【持ち込みラッピングサービス つつみ屋工房 日本橋高島屋S.C.店】
住所:〒103-8265 東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C. 本館1階 婦人洋品
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