奥ゆかしさの象徴 折形

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日本におけるラッピングの歴史は「折形」から始まります。
折形とは600年以上の歴史をもつ武家社会の礼法の一つで、贈り物を和紙でどのよう
に包むかを研究し後世に伝わったものです。
用途や内容物により折り方、包み方を変える作法で鎌倉時代に誕生し室町時代には完
成されたと言われています。

「折形」は贈る相手との関係と品物の格に応じて、和紙の種類と大きさを階級別・目
的別に明確に使い分けます。
これを紙の格といい、格上から順に、檀紙、奉書紙、杉原紙となります。

檀紙(だんし):こうぞを原料とした和紙で、厚手で和紙の表面にでこぼこしたシボのような漉
きめ跡があります。
檀(まゆみ)を原料としていた為、檀紙と言います。
高級感のある和紙で古くから珍重され贈答用に使用されます。

奉書(ほうしょ):室町時代に足利将軍が発した公文書を言い、奉書に使用した和紙を奉書紙と呼
びました。
本来は楮を原料とした和紙ですが、最近は機械漉きなども多く様々です。
祝儀不祝儀の包みに広く使用される和紙です。

杉原紙(すぎはらし):楮を原料とした和紙で、文字書きに多く使用されます。
奉書紙に似ています。大杉原、中杉原、小杉原の大きさがあります。
儀式などで用いられる公式な和紙です。

「折形」の包みの基本は、どれも陰陽説に基づいています。
植物では天に伸びる枝ものを「陽」、地に広がる草花を「陰」とし、
また包みの折りの数も、枝ものは陽の数とされる奇数回、草花は陰の偶数回で折りま
す。

順番は「天が先、地が後」「左が先、右が後」となります。
具体的には、慶事の包み方では右開き、後ろ側の上下の折り返しは慶事では下からの
折り返しが上側に重なるようにします。

例えば結婚祝い包みは、最上級の純白の檀紙を使い、吉の形を現す右前で重ね、匂い
(色紙)には祝いの 象徴、紅色を重ねます。
水引は左に銀、右に金を使います。
結び方は「結びきり」と呼ばれる二度と解けない形で結びます。

相手の方を想い、紙を選び、言語を使わず、お贈りする相手へのこころを形にあらわ
す。
奥ゆかしさを美徳とする「折形」という日本の文化を私たち「つつみ屋工房」はこれ
からも大切にしていきたいと思います。

皆様のお越しをこころよりお待ちしております。
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